★★★★☆

【ネタバレなし】「シュガー・ラッシュ:オンライン」の感想。ディズニーが本気を出した文化祭のような映画!

今回取り上げる映画は「シュガー・ラッシュ:オンライン」

アーケードゲームの世界を舞台にした映画「シュガー・ラッシュ」の続編です。
今作では舞台をインターネットの中に移し、ラルフとヴァネロペが大活躍します!

こんな人におすすめ
  • 毒のあるアニメーションが好きな人
  • 好きになった人から「しつこい!」と嫌われたことのある人
  • インターネットに10年以上触れている人

「シュガー・ラッシュ:オンライン」のあらすじ・キャスト

【あらすじ】
ヴァネロペはレーシングゲーム「シュガー・ラッシュ」のトップレーサー。
毎日コースを走り回る日々は楽しくもあったが、同じことの繰り返しに退屈も感じていた。
その不満を耳にした親友のラルフは、ヴァネロペのために自慢の怪力で新しいコースを作る。

ヴァネロペは新コースをとても気に入ったが、プレイヤーの操作を無視して走ったために、筐体のハンドルが故障してしまう。
しかもシュガー・ラッシュを作った会社はすでに倒産しているため、予備のハンドルはオークションサイト「eBay」に売られているたったひとつだけ。
このままではシュガー・ラッシュがゲームセンターからなくなってしまう!

ゲームの危機を救うため、ラルフとヴァネロペはインターネットの世界に旅立つが……

【キャスト・基本情報】
声の出演: ジョン・C・ライリー、サラ・シルバーマン、ジャック・マクブレイヤー、ジェーン・リンチ、ガル・ガドット、タラジ・P・ヘンソン
吹替版声の出演: 山寺宏一、諸星すみれ、花輪英司、田村聖子、菜々緒、浅野まゆみ
監督: リッチ・ムーア
上映時間: 101分

ネタバレなし感想。コメディあり、ミュージカルあり、ホラーありの全部盛り映画

「シュガー・ラッシュ:オンライン」は、ディズニーのサービス精神が炸裂したお祭りのような映画です!

正直言って、序盤はラルフのアホさ加減にイライラしながら観ていました笑
ヴァネロペのためとか言いながら、身勝手な優しさでシュガー・ラッシュの世界を無茶苦茶にしてしまうラルフ。
それにひきかえ、ラルフのせいで筐体が撤去されてしまうかもしれないってのに、文句のひとつも言わないヴァネロペちゃんの懐の広さよ……

前作「シュガー・ラッシュ」でのラルフの不憫な境遇を知らない人にとっては、なおさらラルフにイライラしてしまうんじゃないでしょうか。

ところが、途中から雰囲気が一転!
ディズニー映画のセルフパロディあり、新感覚のミュージカルあり、ガチで気持ち悪いホラーな展開あり。
怒涛の全部盛りムービーになっていきます。

スター・ウォーズやピクサー映画、さらにはマーベル映画に至るまで、ディズニーの持つ版権の力を最大限に活かしたオールスターキャストは必見!
ほんのちょっとしかセリフのないキャラクターにも本家の声優が起用されており、悪ふざけにかけるディズニーの本気を見ることができます。
歴代のディズニープリンセスが自分たちの謎設定にツッコミを入れるシーンなんか、映画館で笑い転げました。

ヴァネロペが荒廃した世界を背景に自分の夢を歌い上げるミュージカルシーンは、音楽と映像のミスマッチがとても面白く、映像体験として斬新。

そして最後には、怖さのあまり子供が泣くのではと心配になるほどのホラー展開が待ち受けています。
集合体恐怖症の人は生理的にものすごく気分が悪くなるんじゃないかな〜。
個人的には、怖い&気持ち悪い映像は大好きなので、ディズニーアニメというフォーマットでこんな挑戦的な画が観られたというだけで大満足でした!

前作「シュガー・ラッシュ」に比べて雰囲気のファンシー度は下がっている上、なかなか刺激の強い場面も多いので、小さいお子さんと一緒に観るのはあまりオススメしません。

新キャラクター・シャンクがかっこいい!

「シュガー・ラッシュ」は、主人公のヴァネロペしかり、前作で大活躍したカルホーン軍曹しかりと、女性キャラのかっこよさが目立つ作品です。

今作ではさらに、過激なゲーム「スローター・レース」に登場する女性レーサーとして新キャラクターのシャンクが登場します。
彼女がこれまたすっげーーーカッコいいんですよ!!

愛車を盗んで逃げようとするヴァネロペを追いかけるときの目つきやハンドルさばきにはシビレますね。
そして観た人にはわかる、列車を飛び越えながらの「あばよ」ポーズ……
あまりのクールさに夢に見そう!

オリジナル版の声優は「ワンダーウーマン」でお馴染みのガル・ガドット。
キャラのイメージにバッチリ合った配役で文句なしです!
日本語吹き替えは菜々緒が声を当てていて、こちらもシャンクと見事に一体化した名演技でした。

恋愛下手なオタクは絶対に観るべき映画です

「シュガー・ラッシュ:オンライン」でいいな!と思ったのは、ラルフ自身の成長をきっちり描いている点です。

ヴァネロペが大好きなあまり離れたくなくて、結局彼女から嫌われてしまうラルフ。
その精神的な未熟さが原因となって、インターネット世界すべてを危険にさらす事態を招いてしまいます。

ラストバトルにおけるラルフの描き方は、完全にリアルの恋愛が下手くそなオタクそのものです。
「ボサボサの髪の毛」「太り気味」「汗臭い」「子供っぽい」という特徴を、オタクのネガティブなイメージと重ねているのは明らか。
ところがラルフは自身の未熟さとしっかり向き合い、ヴァネロペを尊重することを学び、彼女とのより強い絆を手に入れることに成功したのです。

もうね、全世界の恋愛ベタなオタクは全員「シュガー・ラッシュ:オンライン」を観たほうがいいよ。
人を好きになったときの距離感の取り方ってのがわかるから!
自分の気持ちばっかり押し通しても、うまくいくわけないんだからね。

「シュガー・ラッシュ:オンライン」は、子供向けの皮をかぶりつつ、実は大人向けのギャグや映像、メッセージが満載の作品でした。
脚本があまりにインターネットのトレンドを取り入れすぎているので、おそらく数年経つと古くさくなってしまうのが残念かな。
なるべく新しいうちに観てほしい一作です!