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【ネタバレなし】「スパイダーマン:スパイダーバース」のあらすじ・感想。精神までぶっ飛ばす、新時代のヒーロー映画の誕生!

今回取り上げる映画は「スパイダーマン:スパイダーバース」
「スパイダーマン」シリーズでは初となるアニメ映画作品です。

「スパイダーマン:スパイダーバース」のあらすじ・キャスト

ブルックリンに住む高校生、マイルス・モラリスは、ある日不思議な蜘蛛に噛まれ、素手で壁をよじ登れるなどの特殊能力を得る。

後日マイルスは、異次元との扉を開こうと企む男・キングピンが加速器の実験を行っている場面に遭遇する。
スパイダーマン(=ピーター・パーカー)が現れて実験を阻止しようとするも、加速器が崩れ、ピーターはその下敷きになってしまう。
ピーターはマイルスに謎のメモリースティックを渡して息絶える。

スパイダーマン、死す。
彼の墓の前で悲しみに暮れるマイルス。
ところがその目の前に、死んだはずのピーター・パーカーが現れる!

彼は、他の次元からやってきた“もうひとりのスパイダーマン”だった。

【キャスト・基本情報】
声の出演: シャメイク・ムーア、ヘンリー・スタインフェルド、ジェイク・ジョンソン、ニコラス・ケイジ
日本語版声の出演: 小野賢章、悠木碧、宮野真守、大塚明夫
監督: ボブ・パーシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマン
上映時間: 117分

ネタバレなし感想。まさに「動くアメコミ」! 新感覚の映像体験

「スパイダーマン:スパイダーバース」、アニメ映画として衝撃的な映像体験でした!

まず冒頭の「コロンビア映画」「マーベル」などのロゴからして、ノイズが入ったりフォントが奇妙に歪んだりと、今作のテーマである”時空の歪み”を思わせる不穏な演出がなされています。
この時点で「おっ、この映画はなにか違うぞ!」と期待させてくれるんですよね。
そして、今作は期待をまったく裏切りません!

まるでアメコミをそのまま動かしているような、今まで観たことのない新感覚のアニメに仕上がっているのです。
背景の描き方や、キャラクターの立体感のバランスが非常に巧みで、映画を観てるんじゃなくてコミックスを読んでいるかのように思わせる仕掛けが色んなところに散りばめられてるんですよ。
飛び遠具的に、コミックス調のコマ割りや吹き出しが画面に現れる演出もおもしろい。

映像の作りかたもまったく一筋縄ではありません。
クラブイベントで流れている映像みたいな、かなりキツめのエフェクトががんがんかけられてます。
何の考えもなしにこんな演出したら過剰すぎて見てられないものですが、「スパイダーバース」では絶妙にバランスが取れてる。
ヒップホップのBGMともあいまって、都会の夜の独特な高揚感までもが感じられる、ハイな映画になっているんです!

異次元世界のスパイダーマンが大集結するストーリー。これは祭りだ!

「スパイダーマン:スパイダーバース」のストーリーが進むにつれて、映画はスパイダーマン大集合ヒーロー祭りのような様相を呈し始めます。

元祖スパイダーマンのほか、
白いスーツのスパイダーグウェン、
白黒世界からやってきたスパイダーノワール、
ロボットを操る日本アニメ風少女のペニー・パーカー、
そして、カートゥーン世界に住むブタ、スパイダーハム。

冒頭でスパイダーマンが死ぬという衝撃展開を見せたとは思えない、なんでもありのお祭り映画に変化していくんです。

なんでもありとは言いながらも、そこはバランス感覚の優れた「スパイダーバース」だけあって、各キャラが見事にアメコミ世界に溶け込んでいます。
現代ニューヨークを飛び回るミニスカ少女とロボットも、人語をしゃべるブタも、気がつけばまったく違和感がなくなっている。
どうやってこの統一感を出しているのか……脱帽です!!

「スパイダーマン」映画の新時代。精神も”ぶっ飛ばす”映画が誕生した!

観客がスパイダーマンと一緒に、ニューヨークの街中をびゅんびゅん飛び回る。
そんな、いわばジェットコースター的楽しさが、従来のスパイダーマン映画の大きな魅力でした。

しかし「スパイダーバース」は、ここにもう一捻りを加えてきます。
すなわち、肉体だけでなく精神も”ぶっ飛ばす”楽しさが備わっているんです!

悪者の計画によって次元の裂け目が開き、
コカコーラのCMよろしく色とりどりの泡が飛び交うわ、
空中を電車や自動車が走り回るわ、
映像がどんどんカオスになっていく。
ところが、このカオスがめっちゃくちゃ気持ちいいの!

どこが上でどこが下なのかもわからない、カラフルな空間をスパイダーマンが飛び回る爽快感。
命を賭けた戦いが行われているはずなのですが、色彩はあくまでポップ。
手に汗握るハラハラ感というよりも、止まらないアゲアゲ感で満たされるバトルシーンが展開されるのです。

ただの外伝的な作品として終わらせるにはもったいない、下手すると「スパイダーマン」シリーズの最高傑作になるかもしれないと思わせる作品でした。
文句なしにオススメ、皆さんぜひご覧くださいませ!!