★★★★☆

【ネタバレなし】「スモールフット」のあらすじ・感想。安っぽいタイトルに似合わず緻密な脚本の良作!

今回取り上げる映画は「スモールフット」
山奥にひっそりと暮らすイエティたちと人間との遭遇を描いた作品です。

「スモールフット」のあらすじ・キャスト

【あらすじ】
雪男のミーゴは、ヒマラヤの山頂近くにあるイエティの村で仲間たちと楽しく暮らしていた。
ある日彼は、アクシデントが原因で村の外へと飛び出してしまう。

その目の前に現れたのは、飛行機に乗って不時着した伝説上の生き物・スモールフット(=人間)だった!
村に戻ってスモールフットの目撃談を話すも信じてもらえず、逆に村を追放されてしまうミーゴ。
密かにスモールフットの存在を信じる友人たちの助けを借りて、ミーゴは誰も足を踏み入れたことのない山裾へと降りていく……

【キャスト・基本情報】
声の出演: チャニング・テイタム、ゼンデイヤ、ジェームズ・コーデン、コモン
監督: キャリー・カートパトリック
上映時間: 96分

ネタバレなし感想。安直な見た目と裏腹に、緻密な脚本とほんのりホラー要素すらある良作!

「スモールフット」、鑑賞する前は「ずいぶんと安っぽいアイデアだな〜」なんて思ってました。
ビッグフット伝説を逆の立場から見てお話にするって、正直誰でも思いつきそうなネタじゃないですか。

ところがどっこい、緻密に計算された脚本の良作アニメでした!
序盤に観客がほんのりと抱く違和感を、すべて伏線として回収していくさまには鳥肌が立ちましたね。
中盤で示されるある大きな展開には、一種のホラー要素すら感じます。
(決して映画そのものが怖いわけではないのでご安心を)
M・ナイト・シャマラン監督の映画が好きな人なら絶対にハマるでしょう。

純粋な青年(ミーゴ)、好奇心が強く賢いヒロイン(ミーチー)、厳格な長老(ストーンキーパー)など登場人物の設定は割とありきたりなので、キャラクター重視で映画を観る人にはやや物足りないかもしれません。

まったくの余談ですが、キャスト紹介を見てオークワフィナがが出てないことにめちゃくちゃびっくりしました。
あの声は絶対オークワフィナだと思ったんだけどな。

イエティ村の「石」は聖書のメタファー? 内容から米中関係も読み取れる

「スモールフット」には重要アイテムとして「石」が登場します。
古来から村に伝わる石には様々な知恵が書かれており、その内容は絶対に正しい。
石の教えに従うことによって、村は平和な暮らしを保つことができる……という設定です。

これ、現代アメリカにおいては聖書のメタファーであると言っていいと思うんですよね。
多くの人々が盲信しているものであり、都合の悪い事実が出てくるたびに解釈が改変され、常に正しいものであり続ける。
分厚い雲の上に閉じこもって暮らしているイエティたちの村はアメリカそのものです。

さらに、雲の下に広がっているのが中国というのも意味深です。
2018年、アメリカと中国との関係はだんだんと悪化しており、かつての米ソ冷戦を思わせる様相を呈しています。
お互い、見た目や言語の差からすれ違いながらも、少しずつ距離を縮めていくイエティと人間たちの様子は、米中の争いを望まない製作者の意図を反映しているようにも見えてくる。

ドナルド・トランプが大統領になり、アメリカが排他的な姿勢をますます強めていく中で公開された「スモールフット」。
ある種のアメリカ自己批判映画と捉えることができるかもしれません。
タイトルだけ見て「なんとなくお話が想像できるからいいや〜」とスルーせず、ぜひぜひ多くの人に見てほしい一作です!